第9回「メリッサ」ポルノグラフィティ
「・・・さよなら」とカメラ目線であややが呟くバラード「THE LAST NIGHT」が3位に初登場。彼女の精一杯の姿は、アイドルらしくて好きです。そして、林原めぐみが歌う辛島美登里作詞・作曲の「負けないで、負けないで…」も気になるところ。しかし、本当に福山は強い。すでに5週目。
●ポルノグラフィティって?
(→公式サイト)
(→レコード会社サイト)
晴一、Tama、昭仁の3人で構成。3人とも広島県因島市出身で1974年生まれの同級生。
高校3年秋の文化祭がポルノグラフィティの原点となる。1997年上京、1999年9月8日、シングル「アポロ」で、メジャーデビュー。毎回、歌詞が面白い(いい意味で)と思わせてくれるバンドだ!
■攻撃的な言葉の連打
君の手で切り裂いて 遠い日の記憶を
悲しみの息の根を止めてくれよ
さあ 愛に焦がれた胸を貫け
ポルノグラフィティらしい曲である。彼らだから、成立する歌詞でもある。
サビから始まるこの曲の冒頭部分には「切り裂いて」、「息の根を止めてくれよ」、「胸を貫け」と3連続で攻撃的な言葉が並ぶ。そうだよな。愛って精神的な暴力行為っていう部分があるかもしれない。ここで書かれているのは、愛という自分の中から生まれた感情に、完全にねじ伏せられて、苦しむ姿だ。それを自分で始末がつけられなくて、「君」にすがっている。なんて書いてしまうとロマンチックのカケラもないけどね。そもそも愛という感情は、自分でコントロールできるものでなく、翻弄されてしまうものなのだよ。
そして、次のサビで、主人公は終結の言葉を連打する。
「鍵をかけて」、「開くことのないように」、「終わらせて」、また3連続だ。計算された歌詞という訳です。で、歌詞のお約束でもある最後の救いまできっちりと。前向きな言葉「生み出すのさ」でしめている。お見事。
■メリッサの葉
「メリッサって何?」という人もいるかと思うけど、別名を「レモンバーム」というハーブだというと分かる人も多いのでは。メリッサは地中海地方原産の植物。そして、メリッサの葉に関しては、以下のような「さまよえるユダヤ人」という有名な伝説があるよう。
最後の審判の日まで放浪する運命を背負ったユダヤ人が喉の渇きに苦しみながらさまよっていました。そんな時、ある貧しい農家で彼は貴重なビールを与えられます。そして、そのビールにより元気を取り戻すことができました。礼を告げ立ち去ろうとすると、その農家には肺を患う百姓がいることに気づきます。ユダヤ人は「ビールの壷にメリッサの葉を3枚入れ、出来るだけ毎日飲みなさい。そして4日毎にその葉を新しい物に取り替えなさい。そうすれば10日と2日すれば、身体の具合が良くなるでしょう」 と告げるのです。不思議に思いながらも言われたとおり続けていくと百姓は12日後に病気が回復したというのです。
この話がこの歌詞にどう関連するか疑問だけど、メリッサの葉には、痛みを癒す力があり、人を救う力がある。
羽が欲しいとは言わないさ
せめて宙に舞うメリッサの葉になりたい
人を愛した痛みに耐えるこの歌の主人公の痛みもいっそメリッサの葉になることで、癒えるのかもしれない?(ちょっとこじつけ?)
公開:2003/10/10 TEXT・みど(c) 2003 RGS680,all rights reserved.