第22回「悲しみをやさしさに」little by little
先々週はお正月休みをいただいたので、今週はその分もう1曲紹介します。突然、オリコン6位に現れてびっくりした曲「悲しみをやさしさに」little by little。この人気の理由を探ってみよう。
●little by littleって?
(→公式サイト)
ヴォーカリストhidecoとメロディメーカーtetsuhiko
デビューしたばかりで情報が少ないのですが、デビュー前にもいくつかの活動をしていたよう。路上ライブもやっていたようです。12月17日発売のこのデビューシングル「悲しみをやさしさに」が初登場オリコン6位を記録。
■ぐさりとくる歌詞に新年早々目が覚めた
この曲の中で耳に残るのはこのフレーズ。
なりたい自分を摩り替えても 笑顔はいつでも素敵ですか
表面上の笑顔を見せて暮らすことだってできるけど、できるなら、本物の笑顔で暮らしたいよね。そのために、常に本物の笑顔でいられる自分を求めていたい。そして、それは、いくつになっても同じ。「もう」なんて言葉は捨てて、いつだって「まだ」の精神でいることを思い出させてくれた。そして、素敵な笑顔を持続するためには、自分が成長していかないとね。素敵かつ新鮮な笑顔ができるためには日々精進なのだ。
そして、もう一箇所、私にとってはこちらはぐさりと来た。
誰かの期待にずっと応え 誉められるのが好きなのですか
誉められるのが好きなのですか? と聞かれると、「Yes」と答えたくなる。だって、たまには誉められないと挫けてしまう自分を知っているから。でもその誉められる理由が問題。誰かの期待に応えるために自分の思いを殺してまで、誉められたいかと問われれば、それは「No」。だって、それは、自分の望む成果ではないから。自分の心の声をちゃんと聞いて、こっちも本物の自分で誉められたいね。
ただ、仕事でいうとちょっと違うかも。人の顔色を伺うというと言葉が悪いけど、誰かの気持ちを汲み取りながら自分なりのエキスを入れた作品で誉められるという形であれば、OKだと思っている。仕事にはクライアントいて、自分の意見だけでは成立しないことが多い。自分の思いを入れながら、クライアントの思いを代弁してあげることも充分自分らしさだよね。芸術家的なお仕事の人は、100%のオリジナルこそが命。
みなさんはどうですか?
■これは、「NATUTO−ナルト−」のオープニングソング
毎週水曜日19:27〜、テレビ東京系で放送されているアニメ「NATUTO−ナルト−」のオープニングソングとしてこの曲は流れている。ということは、子供たちの耳にも届いているということ。そこで、そこで伝わって欲しいなと思う部分はここ。
大事な物は いつも 形のないものだけ
手に入れても なくしても 気付かぬまま
最初は、「手に入れてもなくしても気付かぬまま」ってどういうことだろうって思った。でも、その直前に、「大事なものは形のないもの」と歌っている。つまり、大事なものはおもちゃや本やブランド品なんてものじゃなくて、心の中に溜まっていくもの。だから、大事なものには形がない。そして、大事なものは、時間とともに変化もしていく。手に入れたことにさえ気付かないこともあり、それが身体の一部になってしまえば、意識して持つ必要がなく、なくしてしまってもいいのではないかと。そんな大事なものをちゃんと感じられる人になって欲しいと思う。
公式サイトのセルフライナーノーツにこんな言葉があった。「くじけそうになりながらも仲間たちに励まされたりして成長していく主人公ナルト。僕もhidecoも少し自分を重ねたりした」ふたりもきっと、いろんな思いをここに詰め込んでいるはず。
そして、hidecoが最後にさけぶ「もういいかい」は「もう一回」とうまくかかっていて、すごくすっきりしたし、hidecoが自分自身に「もういいかい」と問いかけているみたい。彼女は素敵な笑顔を手に入れたのかな?
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