第28回「スターゲイザー」スピッツ
ほんの時々だけど、春の匂いや肌触りを感じるようになったこの頃。そんなどことない優しさや暖かさを感じる曲を毎回、発表してくれる「スピッツ」。今回もそれを裏切らない作品となりました。
●スピッツって?
(→公式サイト)
草野マサムネ:1967年12月21日生 福岡県出身
三輪テツヤ:1967年05月17日生 静岡県出身
田村明浩:1967年05月31日生 静岡県出身
崎山龍男:1967年10月25日生 栃木県出身
1987年、進学の為に上京してきた4人が集まり、スピッツ結成。新宿JAM、渋谷ラ・ママなどでライブ活動を開始。1989年7月新宿ロフトでワンマイライブで300人を動員する。1990年ミストラルより、初の6曲入りCD「ヒバリのこころ」リリース。1991年デビューシングル「ヒバリのこころ」、ファーストアルバム「スピッツ」同時発売でポリドールよりメジャーデビュー。1994年4月25日8thシングル「空も飛べるはず」発売。「スターゲイザー」は28thのシングル。
■星を眺める人
「スターゲイザー」。私にとっては、初めて聞く言葉でした。まぁ、スターっていうのだから星に関係あるとは思ったのですけど。調べて確認。「星を眺める人」。そして、mossというメーカーから「STARGAZER」という名のテントも出ているようです。まぁ、ここでは、そちらではないでしょう。でも「STARGAZER」の中からスターゲイザーになって「スターゲイザー」を書いたのかもしれないよね。草野さん。
ひとりぼっちがせつない夜 星を探してる
明日 君がいなきゃ 困る 困る
この歌では、夢が星に例えられ、夢を追う姿が星を眺める姿になっている。そして、「明日いないと困る君」というのも夢とのダブルミーニングかな? なんて思える。人間は、たぶん自我に目覚めた頃から、死ぬまで夢を見続ける。そう、星を見つめるかのように。都会じゃ見える星も少ないから、道に迷うことも多いのかもしれないなぁってこじつけのように思ってみたり。時には、思いっきり空気の澄んだところに行って、星を見ながら自分の夢を探したり夢と向き合ったりすることも大事だよね。都会は何でも揃っているけど、自分に本当に必要なものが見えにくくなっている場所。明日なくて本当に困るものを見つけるのってとっても素敵なことだと思うよ。
■大人になりたくない症候群
「ピーターパン症候群」という言葉が、流行ったことがある。いつまでも子供のままでいたい。大人にはなりたくないというもの。そんな気持ちが見え隠れするこの2行。
ゴミになりそうな夢ばかり 靴も汚れてる
すべてを嫌う幼さを 隠し持ったまま
ゴミになりそうな夢という例えは、かなり率直だけど、叶いそうにない夢を追いかけ続けることと解釈してみた。これは、子供の頃の特権みたいに思われがち。例えば、「パイロットになりたい!」、「歌手になりたい!」なんてことも、ある年齢になると言わなくなって、いつの間にか、「せめてあの会社に入りたい」なんてつまんないことを言い出すようになる。だから、叶いそうにない夢を追いかけることは、一見、不毛なことみたいに見えるけど、意外と、後になって役に立つこともあるものだ。大人になって、子供の頃や10代の頃に、意味もなく憧れたものが趣味として生かせることがある。だから、できるところまでやっておくというのはいいんじゃないかな。少しでも知識があれば、趣味として再び、その世界に入るハードルはうんと低くなるからね。いい趣味を持つと生活が楽しくなるし。
男性の場合は、「少年のような目」なんていう綺麗な表現が日本には用意されている。会社と家庭で、それぞれの役割を演じなければならない日々が続き、ストレスにやられそうになったら、隠し持った幼さ、あの頃の夢を掘り出しみるのもいいんじゃないかと思う。どう?
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