第34回「全てが僕の力になる! 」 くず
さーて、新年度の開始です。だから、今週は元気な曲を取り上げてみました。冬の間眠っていた身体を起こして、活動を開始しましょう! ってことで、くずの「全てが僕の力になる! 」を紹介
●くずって?
(→公式サイト)
HIRO(雨上がり決死隊・宮迫博之):1970年03月31日生 大阪府出身
ANIKI(DonDokoDon・山口智充):1969年03月14日生 大阪府出身
刑務所で服役中に出会ったHIROとANIKIが出所後にアーティストとしてのデビューを夢見て結成したデュオ。2001年7月27日にフジテレビのイベント「お台場・どっと・混む」で刑務所の窓から月夜を見上げて作ったといわれる「ムーンライト」をCD発売したところ、アッという間に完売。ポニーキャニオンより声がかかり「ムーンライト」でメジャーデビュー。
■他力本願というか
自分で何かを決めるのは勇気のいることだ。自分で決めたからには、その責任は自分で取らなければならないから。その責任を回避したいのか、最近は自分で何かを決めるということができない人が増えていると言う。そして、そういう状況が用意されていたりすることもある。変な例えだけど、回転寿しはまさしくそう。自分で決めなくても、候補がどんどん流れてくる。選ぶという行為はあるけど、まっ白なところから決めるということはない。そう、まっ白な画用紙を与えられたら、案外何を描こうか悩むものだ。そんなことにちょっと関係ありそうなのが、この部分
今までの僕は いつも
勇気を出すことを恐れてた
何が目の前に起きても
誰かがやってくれると思ってたんだ
誰かが、やってくれるだろう、というこの感覚、正直すごく分かる。あえて自分はしなくてもいいや。できれば関わらないほうがいいや。今の状況をわざわざ変える必要なんてないさ。なんて、変化を恐れる気持ちは誰にでもある。でも、そう思っている限り現状は現状のまま。安定はしているかもしれないけど、すごいチャンスを逃しているかもしれない。それに、自分で決めて始めると、実はけっこう楽しかったりする。もちろん、最初は戸惑うし、不安だし。だけど、自分で決めたんだから、誰のせいにでもできない、という気持ちから、お尻に火が点いて、思わぬ力が出たりする。そして、自分で決めたことをある程度自分でまわすことができるようになると、これがまた楽しくなる。そこまでの道のりは長いかもしれないけど、勇気を持って進んでいただきたい。新年度だしね。
■そろそろ、出番だ。元気曲
歌詞にも流行がある。それは、社会の動きと大きく関係する。1995年05月10日に発売された岡本真夜の「TOMORROW」に代表される元気になろうソング。「♪涙の数だけ強くなれるよ アスファルトに咲く花のように 見るものすべてに おびえないで 明日は来るよ 君のために♪」という世界は、ここしばらくはなりを潜めていた。その代わりに街に流れていたのは、癒し系ソング。いわゆる、そんなに頑張らなくてもいいよ、という世界だ。だけど、その癒しソングも溢れすぎた。誰も彼もが癒されることを求めすぎ、本当に癒されるべき人じゃない人まで、癒しを求め始めてしまったのだ。「TOMORROW」から9年。そろそろ、また元気ソングが復活してもいいのかもしれない。
立ち上がれないほどのダメージを受けても
自由な羽根を誰かに押さえつけられても
何をやってもダメな今日があっても
全部ひっくるめて力にすればいい
そして、それに応えるような歌詞。「全部ひっくるめて力にすればいい」と言い、曲調も元気。とにかく、何があっても全部力にすればいい、というやや力技な曲だ。だけど、歌にはパワーがある。この曲が初登場1位になったということを見ても、そろそろみんな元気曲を求め始めているのでは? 癒しブームで、休めた身体に、準備体操をさせる時期がきたのかもしれないね。そして、そのあと、どちらに向かうかを自分で決めたら、徐々に走り出してみるのはどうだろうか?
公開:2004/04/02 TEXT・みど(c) 2003 RGS680,all rights reserved.