第42回「Motherland」Crystal Kay
今日は、梅雨入り前の貴重な「晴れ!」だそうです。太陽をいっぱい浴びておかなくては。でも、会社に行けばずっと建物の中なんだよな。さて、今回紹介するのは、Crystal Kayの「Motherland」です。
●Crystal Kayって?
(→公式サイト)
Crystal Kay:1986年02月26日生 横浜生まれ
父はニューヨーク生まれのアフリカ系アメリカン、母は韓国生まれのシンガー、本人もアメリカ国籍を持つ。1999年07月01日、シングル「Eternal Memories」にてデビュー。2000年03月には1stアルバム『C.L.L.-Crystal Lover Light』発売。2004年06月30日には、デビュー5周年を記念し、5th Anniversary Selection Album「CK5」を発売する。
■脱、「癒し」となるか?
数年続いた癒しブーム。いつまで続くのだろうと思っていたら、近ごろやっと変化の兆しが。今週のオリコンの中の曲をいくつかチェックしてみたら、「癒し」ではなく「励まし」の曲が増え始めていることに気づいた。そして、この曲は、うーむ、かなり微妙なところを歩いている。それは、以下のふたつのフレーズから思うことだ。
愛を信じるのは
自分にも負けないこと
夢が叶う日まで
笑顔のまま星を見て祈り捧げここにいるから
涙失くすほど強くなくてもいい
疲れた心休ませてね
前半、「自分にも負けないこと」、「夢が叶う日まで」という言葉はしばらくなりを潜めていた言葉だ。だけど、「強くなくてもいい」は、癒しの歌によく歌われた言葉だ。両方を抱えたこの歌。癒しから励ましへの過渡期にちょうどはまる形となったわけだ。
■英語なし、シングル初のバラード曲
アニメ「鋼の錬金術師」のエンディングとしても流れているこの曲。Crystal Kayにとっては、シングル初のバラード曲である。そして、英語を使っていないというのも珍しい。公式サイトのインタビューでは、デビュー5周年を迎え、日本語に対する思いが変わったということを「今までは日本語の文字を歌っていた、でも、今は行間の意味をくみ取れるようになり、歌詞の意味を思いながら歌うようになった」と発言している。難しい言葉は少なく、素直に聴ける曲。アニメを見る子供たちにもまっすぐに伝わるといいなと思う。
私は君にとっての空でいたい
この歌は恋愛の歌だろうが、親から子に向けたものと考えた時、「私」が両親であり、「君」が子である。両親が子供にとっての空であるって言うのはいい考え方だと思う。あまり干渉しすぎず、大きく見守る。明るい太陽で励ましたり、冷たい雨で戒めたり、曇り空の下で考えさせたり、いろんなことができるはず。だからこそ、癒しだけでもなく、励ましだけでもない曲となっているのかもしれない。多少深読みしすぎたが、こんな考えが自分の中にあることを気づかせてくれた歌詞だ。
そう、タイトルは「Motherland」だった!
(c) 2003 RGS680,all rights reserved.