第53回「僕が一番欲しかったもの」槇原敬之
夏風邪をひいたので、クーラーをシャットアウトして暮らしています。何年かぶりかに、夏を実感する思いです。電車に乗ったときの寒さ。あれってやっぱり変。人は、どんどん感覚を鈍くしているような気がする。だから、こんな気持ち感じて欲しいな。「僕が一番欲しかったもの」。
●槇原敬之(まきはら のりゆき)って?
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槇原敬之:1969年5月18日生 O型 大阪府出身
1990年3月、『AXIA MUSICAUDITION'89』でグランプリを受賞。1990年10月25日、シングル「NG」とアルバム「君が笑うとき君の胸が痛まないように」でデビュー。1991年6月10日リリースの3rdシングル「どんなときも。」がオリコンチャート1位をとり、ブレイクする。1999年、活動停止期間を経て、2000年11月には、デビュー10周年記念盤となるアルバム「太陽」をリリース。
■素敵と必要
人のものに対する思いは、かけがえのないもの。大切なもの。いいなと思うもの。など、いろんな基準がある。この歌の中で、主人公は素敵なものを見つける。素敵なものというのは、あったら嬉しいというあたりの気持ちだろうか? その後に登場する人にとっては、その同じものが必要なものだということが明らかになる。それで、主人公は素敵だなと思ったものを譲ってあげるわけだ。人は、自分の欲求を一番に考えてしまいがちなので、仲々こういうことはできない。素敵だと思ったものを手放すのは惜しい。そして、次に現れた人がどのくらい必要としているのかを見抜くのも難しい。とにかく、この歌で歌われていることは、できたらいいけど、仲々できないことでもある。でも、こうできる人になりたいと思う。
さっきとても素敵なものを
拾って僕は喜んでいた
その人もさっき僕が拾った
素敵なものを今の僕以上に
必要としている人だと
言う事が分かった
ある程度、いろんなことを経験しないと、こんな寛大な心は持てないのかもしれないな。
■新たな自分に気付く
同じことを繰り返している内に、無理にしているのでなく自分の意思で心地よくやっていることに気付く。それが、このくだり。
僕のあげたものでたくさんの
人が幸せそうに笑っていて
それを見た時の気持ちが僕の
探していたものだとわかった
素敵なもの、物体を手に入れることより、心に響く何かを手に入れることの方が豊かな気持ちになる。だけど、これはまた難しいものだ。でも、それに気付いた主人公は、これからも、たくさんのものを必要としている人に届ける人になるんだろうな。そう、ものでなくても同じ。人と人のつながり、いわゆる人脈という代え難い財産もこんなところから生まれてくるんだ。
公開:2004/08/13 TEXT・みど(c) 2003 RGS680,all rights reserved.