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なつかしのアイドルラブラブレビュー
あのころアイドルといえばアイドル歌手だった。
彼女たちの歌は、上手くはなくても味があった。
華やかさやきらめき、トキメキがあった。
主に80年代のアイドルからオススメシングル曲を
思い入れ込めて紹介しちゃいます。(あし)

■■リスト■■
■情熱のささやき(小高恵美)
■禁断のテレパシー(工藤静香)
■かしこ(うしろゆびさされ組)
■星屑のイノセンス(伊藤かずえ)
■少女・熱風・天然色(石田ひかり)
■天気予報はI Luv U(森尾由美)
■Follow me(沢口靖子)
■雨のチャペル通り(石野陽子)
■サクラが咲いた(西村知美)
■いちごがポロリ(本田理沙)
■ロコモーション・ドリーム(田村英里子)
■眠れぬ森の美女(高岡早紀)
■スウィート・チェリーパイ(北原佐和子)
■風のプリマドンナ(宇沙美ゆかり)
■プロフィール(倉沢淳美)
■涙をたばねて(小川範子)
■青い制服(国実百合)
■異性(速水昌未)
■妖精ポピンズ(ポピンズ)
■Get a Chance!(BaBe)
■男のコになりたい(酒井法子)
■とまどい(吉田真里子)
■曇り、のち晴れ(志村香)
■SAYONARA(八木さおり)
■恋のピー・カー・ブー(島崎和歌子)
■秋のindication(南野陽子)
■初恋進化論(藤井一子)
■時代よ変われ(つみきみほ)
■飛んで火にいる恋の虫(松本友里)
■アドベンチャー・ドリーム(アイドル夢工場)
■麦わらでダンス(生稲晃子)
■応援してるからね(藤谷美紀)
■ドリーム ラッシュ(宮沢りえ)
■硝子のキッス(姫乃樹リカ)
■風のInvitation(福永恵規)
■好きと言いなさい(本田美奈子)
■あいつ(白田あゆみ)
■失恋ライブラリー(紘川 淳)
■愛を今信じていたい(堀ちえみ)
■やったね!春だね!!(ソフトクリーム)
■卒業 GRADUATION(菊池桃子)
■卒業(斉藤由貴)
■レースのカーディガン(坂上香織)
■エスケイプ!(五十嵐いづみ)
■NEW SEASON(森高千里)
■好きさ!(仲村知夏)
■水の星へ愛をこめて(森口博子)
■ヤッパシ…H!(浅香唯)
■冬のオペラグラス(新田恵利)
■クリスマスには間に合わせたい(小沢なつき)
■BRAND-NEW TOMORROW(千葉美加)
■小娘ハートブレイク(伊藤美紀)
■キミはどんとくらい(立花理佐)
■愛って林檎ですか(岡本舞子)
■春休み(水谷麻里)
■トキメキがいたくて(伊藤智恵理)
■太陽を抱きしめろ(セイントフォー)
■好き・嫌い(麻田華子)
■ほんとのキスをお返しに(藤原理恵)

●アイドルミラクルバイブルシリーズ発売記念
■アイドルミラクルバイブルシリーズ発売記念イベントレポート
■アイドルミラクル対談

●アイドル関連特別企画
■原点回帰のアイドルたち
■聖子の娘に人生を教わる
■680(ロバヲ)登場

●第四十四回「涙をたばねて」(小川範子)

「涙をたばねて」ジャケット
涙をたばねて
小川範子
1987.11.25 taurus
作詞:川村真澄 作曲:中崎英也 編曲:萩田光雄
小川範子 - GOLDEN☆BEST: 小川範子 -トーラス・シングル・コレクション- - 涙をたばねて

 ラブラブレビュー

このコーナーも長くやっていると、たまに「○○ちゃんを取り上げてください」といったリクエストをもらったりすることがある。なるべくリクエストには応えたいんだけど、「私が当時聴いて好きだった曲」について書くことを(とりあえず今のところは)前提としているのでご了承を。
そして、今回とりあげる小川範子は、たぶん今までで一番リクエストが多かったアイドルだ。

と、ここで若干議論の余地がありそうなのが、小川範子はアイドルか否かということ。実は私は、彼女は歌手デビューとともにアイドルというフィールドを完全にはみだしてしまったと思っている。

ここで一旦時は1986年にさかのぼる。この年、フジテレビ系の昼ドラ「愛の嵐」が昼ドラとしては異例の大ヒットとなった。そして、主演の田中美佐子の幼少時を演じた一人の美少女が世間の注目を浴びた。その名は谷本重美、当時13歳の子役女優だった。
まさに絵に描いたような美少女だった彼女は、これからアイドルとしてブレイクするであろう存在、今風に言うとプレ・アイドルとして業界では注目されていた。ここでの業界とは、とくにアイドルマニア業界なんですけどね。

そして翌年1987年、名前を芸名の「小川範子」に変えた彼女は、11月に「涙をたばねて」で満を持しての歌手デビューをした。当時は歌を出してこそ「アイドル」という時代だったのですよ。

小川範子イラスト

さて、デビュー時14歳、ルックスは完璧といっていいような愛くるしさ、となれば曲もかわいらしいものを期待するというのは間違ってないよね? でも、彼女の曲はあまりに大人だった。彼女の歌はあまりに大人だった。上手だった。

アイドルを見る視点というのは、よちよち歩きのヒヨコを見て「かわい〜」とか言ってるのと基本的には同じものだ。俺が見守っててあげなきゃ、応援してあげなきゃ、というファンの送るエールを浴びて輝く月のような存在であるのだ、アイドルというものは。

でも彼女はデビュー曲にして、もう立派なシンガーだった。タイプとしては斉藤由貴や南野陽子のような、歌うことは演じることの延長にあるとでもいったような、歌の世界を演じるタイプの歌い手だと思う。しかし、そういった先輩たちにはあった、アイドルとしての「隙(すき)」のようなものも彼女にはないように感じられた。
これはもうアイドルというジャンルを超えている。
プレ・アイドルだった彼女は、歌手デビューとともに小川範子というジャンルを確立してしまったのかも、とも思えた。

例えるなら“ドラマで注目を浴びた上戸彩が、世間の注目を浴びた中で満を持して出したデビュー曲が「天城越え」を石川さゆり並みの歌唱力で歌いこなしていた”くらいの衝撃、と言えばわかってもらえるだろうか? なんだかよく分からないかもしれないが、それほどの事件だったのだ、この「涙をたばねて」は。

そんな事件な曲、「涙をたばねて」は川村真澄による、せつない失恋ソング。ミディアムテンポのマイナー調の曲は大人のムードいっぱいだ。
そして彼女のボーカルは14歳とは思えない表現力に富んでいる。それも、無理に大人ぶっているようにも聞こえず、きわめて自然なのだ。
当時、彼女のことを「アンファンテリブル」と称した雑誌記事とかあったんだろうな、きっと。

さて、そんなわけで多分、デビュー時にしてミーハーなファンを切り捨てることとなったであろう彼女。まあアイドル的な大ヒットは逃したかもしれないけど、でもよかったんじゃないのかな。アイドルではなく小川範子というジャンルを確立したことにより、ずっとずっと、今に至るまで応援してくれるファンをたくさんつかんだわけだから。

 気になるフレーズ

♪ねぇ 好きですか つぼみだけのブーケ
話しかける言葉 ずっと迷ったのに

この「つぼみだけのブーケ」は「涙をたばね」た状態の視覚的な例えでもあるのだろう。そしてさらに、「つぼみ」は歌い手小川範子の少女性の暗喩でもあると思われる。
内容自体は結構ありきたりな歌詞世界なんだけど、その表現のひとつひとつが文学的で、女の子なら心の琴線に触れたりするんじゃないかな、というさすが川村真澄という詞です。14歳の歌うような内容じゃないけどね。

ちなみに彼女のシングル曲、「涙をたばねて」「永遠のうたたね」「こわれる」「ガラスの目隠し」「桜桃記(ひとひら)」(以上すべて川村真澄作詞)…とタイトルだけでも文学的な香りがするなぁ。

 豆知識

小川範子(おがわのりこ)。実は私と同じ7月20日生まれということで、勝手に親近感を持っている私。早稲田大学社会科学部出身ということで、早稲田中退の広末涼子とは早稲田つながりですな。これで前回の国実百合(広末と同じ高知出身)と2週連続で広末涼子につながっちゃいました。

「はぐれ刑事純情派」の藤田まことの娘ユカ役といえば分かる人も多いのでは。
今でも女優業とともに歌手活動もしっかり行っているようで、明和電機の音楽監督も務めるヲノサトルとのユニット「Ogawa」としてCDをリリースしたりと、なかなか面白そうなことをやっている。
本日2003年12月20日にはファンクラブ会員限定でディナー+ミニライブというイベントを行っている模様。

 関連URL

(2003/12/20公開 文&イラスト:(あし)


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