第3話 お姉ちゃんは反則だ!
■イトウサチ
ゆかりと同僚だったというイトウサチ(本上まなみ)。彼女が居た場所はソープランド。一瞬戸惑う玲子(深田恭子)にサチは、ここじゃなくて、5年前に石川町のキャバクラでと説明。夢持って、会社辞めて、でも貯金尽きて水商売へというよくある流れで、キャバクラに来たというゆかり。しかし、キャバクラ時代のゆかりは、あまりに素直すぎて、名前も偽らず、客に彼氏の話をし、自宅の最寄駅もばれて、ストーカー3人も連れてたことがあるとか。そんなわけで、ゆかりのキャバクラ業は1ヶ月で破綻したそうだ。
「ゆかりは嘘で自分で守れなかった。いつも真っ直ぐだった。堅いは脆い。ポキンと折れちゃったのかな?」とサチが呟くと、酔っ払った玲子は一気にまくし立てた。「そりゃ、あんた(お姉ちゃん)は楽しいでしょうよ。アリを食わしてやっているのはキリギリスだ。あんたが先にキリギリスになっちゃったから、キリギリスばっかりはありえないでしょう。アリなんてなりたかねーよ。あたしはつまんない。自殺なんてありえない。親より先に死ぬのは反則だ。」今まで、こらえていた気持ちがあふれ出したのだ。そして、謎の言葉。「姉は強盗殺人です。一昨年のクリスマスに‥‥」。
あまりに自由な姉を持つと妹は身動きが取れなくなるのかもしれない。よくある姉妹は、姉が真面目、妹がやんちゃ。だけど、この姉妹は完全に反対だ。
■イトヤマトオル
ゆかりの自殺の理由を知っているという漁師イトヤマトオル(相島一之)。しかし、聞いてみると、彼は怪しい団体の一員。5,000円で福をもたらすという印鑑を買わされた吉川。
しかし、イトヤマは冷静に呟いた。「石井ゆかりは生き迷っていた。じゃないと、来ないんだよ。こんなインチキセミナーに。遺書を残さなかったのは、知られなくなかったからなんだよ。婚約者だろうが親だろうが墓を暴く権利はない」と。確かに、誰にでも、墓場まで持っていきたいくらい知られたくないこともあるかもしれない。
■吉川良夫の豆知識
- 太陽が爆発しても8分20秒は地球に光が届く
- 人の肉体を物質としてみると、脂肪が石鹸7個、炭素が鉛筆の芯9,000本、鉄分が五寸釘1本、リンがマッチの頭2,200個なんです。全部あわせて人間の原価は5,000円なんです。
サチの言葉:初七日までは大切な人の近くにいる。
公開:2004/02/07 文・みど イラスト・あし(c) 2003 RGS680,all rights reserved.