第6話 オレの明日は何だ?
■イブキモモエ
名前からいい女を期待したら、オカマであったイブキモモエ(陣内孝則)。ゆかりは、オカマバーの常連だったのだ。モモエ曰く、「こういう店にはまる女は、コンプレックスが強い。女だっていうだけで優越感に浸れる」。そして、「OLにも嫁になれないオカマはプライドを長ネギみたいに刻んで売って食う。でも、プライドを捨てられるのもプライドなのよ、プロならばね」とも言う。ゆかりはアップダウンが激しかった。それを見抜いていたモモエ。「こんな人生もうたくさん」ゆかりに先を越されたと呟く。痛みを知っている人間ほど、人の痛みが分かるのだろう。モモエは人の陰の部分を知っていた。だから、ゆかりの陰も見抜いていたのだ。
■イリエミカ
照明デザイナー、イリエミカ(戸田恵子)。1年半くらい前に「今すぐ弟子にしてください」と言って、いきなり弟子入りしたゆかり。センスは良かったが、予算ありきの仕事ではゆかりの企画は使えなかった。アジアにこだわり、蛍光灯を使いたがったゆかり。ミカは、「自分の思いと世間とに折り合えなかったのではないか」と言う。江ノ電のライトアップが、彼女の最後の仕事だった。そして、その江ノ電、ゆかりの仕事は今も走っていた。その仕事は、一見ショボく見えた。でも、違った。ゆかりは、江ノ電の屋根に蛍光灯で「ETERNITY(永遠)」と書いていた。誰にも見えないところで、彼女は自分を表現していたのだ。人には、押さえ切れない思いがある。どうしても誰も気づかなくても止められないものがあるのだ。
■アンザイハジメ
舞台のリハーサルに来れないアイドルのリハーサル用代役という屈辱的な仕事を提示されたハジメ(長瀬智也)。「届かない夢ばかり」とゆかりの書いた歌詞を思い出す。2年前のテレビ出演など、もう過去のものなのだ。モモエの言葉とゆかりの残した仕事で、プロという言葉の意味を思い出す。そして、「とんち体操」歌い踊る。アンザイハジメは夢をつかむことができるのか?
■吉川良夫の豆知識
- 大トロをさっと炙ると絶品なんです。100グラム、8,000円の松坂牛と区別がつかない味になる。
- 3月3日は女の子、5月5日は男の子、4月4日はオカマの節句なんです。10人いれば1人はゲイなんです。
- 職人は簡単にグリーンカードが取れる。
- 東京タワー、176個のライトしか使わず、電気代も1日に25,000円しかかかりません。その25,000円で、恋人たちの心に灯をともすんです。
良夫が寿し屋になった理由:アメリカ人になりたかった
公開:2004/02/28 文・みど イラスト・あし(c) 2003 RGS680,all rights reserved.