第8話 お姉ちゃんは逃げてない！ 転んだです。
■オオサワヒデキ
キャッチセールスをしているオオサワ兄弟（工藤兄弟）。50万もする化粧品を簡単に買うと言い、契約をしたゆかり。オオサワたちは、クーリングオフされないようにご機嫌をとって、散々貢いで、でも結局クーリングオフ。オオサワ兄弟曰く、淋しさを埋めるために俺たちを利用したのだと。自殺は、そのバチが当たったと。孤独と戦う女は、手段を選ばない。ゆかりの荒技だ。
■オグリマツゾウ
一昨年までミラノで和食屋をしていたオグリマツゾウ（きたろう）。ミラノに留学の経験があるということで、語学は大丈夫だろうとアルバイトとして雇ったのだが、彼女のイタリア語は物になっていなかった。彼女は店では使えなかったのだ。オグリは言う。ゆかりは叶わない夢から逃げて逃げて逃げていたと。 彼女は、冒険者でなく逃亡者だった。そして、最後にはこの世からも逃げたと。夢は気軽に見てはいけない、死ぬ気で見なきゃいけない。でも最後に、一度でも優しくしてやれば良かったと、呟く。
■カツマタエイタロウ
ゆかりと不倫関係だったゴルフ場のレッスンプロ、カツマタエイタロウ（橋本さとし）。自殺の話を聞いてホッとした表情を見せる。週に一度だけ会う。メール以外の連絡はしない。それが約束だったのに、ゆかりはその約束を破り、一晩中家の前に立っていたり、妻に無言電話をしたり、メールを5分おきに送ったりしたのだ。カツマタは今まで不倫した相手の写真を携帯に保存していた。しょせん、そんな男だったのだ。ハジメはカツマタの携帯を取り上げ、ゆかりの写真とメールのすべて削除した。ゆかりへの思いをこめて。
■吉川良夫の豆知識
- 女性は1日平均7000の単語を話します。男性は約その半分です。女性はおしゃべりなんです。
- 世界853の文化圏で、一夫一婦制は16％なんです。84％は一夫多妻制なんです。実は、日本は異常なんです。
眠剤：5つの病院をはしごして、眠剤をもらっていたゆかり。玲子が部屋の掃除をして見つけたものだ。これだけ多くの薬を飲まないと眠れなかったのだ。自分の弱さを隠すためにわざと明るく振舞う人がいる。というか、明るく振舞っている人の心には、時に巨大な孤独があることがある。ゆかりもそんなひとりだったのだ。
公開：2004/03/13 文・みど イラスト・あし(c) 2003 RGS680,all rights reserved.
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