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第33回:イシバシ・レシピ

今回のテーマは「イシバシ・レシピ」
TBS 水曜深夜0:55〜1:20(2004/3/24終了)
番組案内ページ
http://www.tbs.co.jp/bangumi/ishibashi.html
http://www.tbs.co.jp/program/ishibashi.html

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プロっていうのは、そんな甘いもんじゃないということだよね

(あし):
この番組で石橋が料理作って、プロの料理人に食べてもらって「おいしい」とか言ってもらって鼻高々になるんだけど、そこで「お店で出せますか?」とか聞くと、「お金払ってもらって出す料理としてはちょっと…」とか言われるのね。ここで、石橋の鼻が折られるところが一つの見所。
(みど):
それって、おきまりの文句なんだ。
(あし):
たぶん結果としておきまりになってるんだと思う。みんなそう言うね。「まかないなら」「お金払ってもらって出す料理としてはちょっと…」プロのプライドを感じさせるセリフでもある。
(みど):
美味しいって言ってから、落とすんだ。確かに、自宅で作っている料理はいくら美味しくても、お金出して食べると思うと微妙だね。
(あし):
料理が得意な人で、「お店出せるよ〜」とか周りから乗せられて、本人も「いつかはお店を」とその気になったりしてる人もいるかもしれないけど、そういう人に、そんなに甘いもんじゃないよということを、この番組は教えてくれるような。
(みど):
うんうん、思う。プロっていうのは、そんな甘いもんじゃないということだよね。きっと、好きっていうのとは、やっぱり違うんだよね。なんにつけ、プロは永遠に作り出し続けなければならないしね。
(あし):
きっかけは好きってことでいいんだろうけど、手間のかけ方とかが違うぞと。たしかに生産し続けなければならないって部分もあるよね、プロなら。
(みど):
仕込みに何日とかかけているものもあるもんね。脱サラでラーメン屋とかも甘くないよね。
(あし):
で、この番組って石橋貴明の名前が「企画」としてクレジットされています。ということは、自分がプロ料理人の引き立て役になることを分かっていて、やってるってことだよね。
(みど):
謙虚な感じ。5ポイントアップ。
(あし):
ただテンション高いだけじゃなくて、ちゃんと考えているわけですよ、彼も。自分で作って、おいしいですよね、結構やるでしょ、と天狗になっておいて、落とされることを計算済みと。
(みど):
うん、うん。確かに、芸人として残っていく人って、頭よい人なんだろうなと思うもの。それを考えると彼は、考えてなさそうに見せて、すごーく考えているのかもしれない。島田伸助とかもそうだと思う。
(あし):
島田伸助は分かりやすいけどね。知能犯的なところが。

関東の笑いは他者を笑うものであり、関西の笑いは自分を笑ってもらうもの

(あし):
で、石橋って基本的に偉そうにするというか悪態をつくのが芸風じゃない? でもプロの料理人相手に偉そうにはできないよね。で、そこに出てくるのがボブなのです。
(みど):
ほう、ボブの存在はそういう意味があったのか。
(あし):
ボブって知ってる? とんねるずのマネージャー(ボブ市川)。
(みど):
ええええええーーーー。知らなかった。ただの芸人さんかと思ってた。

イシバシ・レシピ:ボブイラスト

(あし):
それこそ「夕やけニャンニャン」とか、とんねるずが出たての頃から、「ボブ」はネタにされてた人なのね。まあ、とんねるずのネタって基本は内輪受け、楽屋落ちだから、マネージャーをネタにするというのは非常にとんねるずらしいんだけど。
(みど):
えっ、そんなに長い間マネージャーしているの?
(あし):
詳しくは調べてないんだけど、まあ今でもマネージャーかどうかはともかく、一緒に仕事をしているわけ。これも石橋の人柄かなと。石橋が本当に嫌な人なら、そんなに長い間一緒に仕事しないと思わないんじゃないかと。
(みど):
マネジャーとか身近なスタッフが長く続くってのは人柄だよね。
(あし):
20年近くだもんね。
(みど):
また、ポイントアップかも。
(あし):
わたしもこの番組でボブを見て、まだマネージャーなのか!? と驚いたよ。
(みど):
テレビとかに出る人って、本当にいろんな意味でストレスがあるだろうから、心から信頼できる人がいるかどうかが、とても肝になると思う。そういう意味では、ボブはとても大切な人なんだろうね。夫婦以上だ。
(あし):
で、この番組で石橋が落とす(差別するというか下に見るというか「笑い」のために落差をつけるって意味ね)のはボブだけなんだよね。だからあまり石橋番組特有の嫌な感じはないんじゃないかと。要はボブは石橋にとっては身内の存在だから、いくら落としても見てる方には嫌な感じはしないと思う。
(みど):
まぁ、ボブがそんなに長い間一緒にいると知っている人ばかりではないとは思いますが。
(あし):
いや、構図の問題ね。関西の笑いと関東の笑いの違いにもつながるんだけど、関西の笑いはタレント側が客より下に立つのね。そこで身内(漫才なら相方)を落とすことによっての落差で笑いを生む、と。一方関東の笑いは、客を笑ったりしてタレントが上の立場に立ったりする。それを嫌に思う関西の人は多いと思う。わたしの個人的な考えも含めての説だけど。
(みど):
そっか。愛知出身の私は、どちらかというと関西派かな。自分も自分を落として笑いを取るタイプだし。
(あし):
関東の笑いは人をバカにして笑う、関西の笑いはアホを笑う、とも言える。関西では「アホは褒め言葉」でもあるのね。だから関西の笑いの方が誰も傷つかない構図になっている。「関東の笑いは他者を笑うものであり、関西の笑いは自分を笑ってもらうもの」って言葉が分かりやすいかな。
(みど):
うん。わかりやすい。
(あし):
なので、この番組は構図として関西の笑いに近いのかなと。他の番組での石橋ほど嫌な感じはしないんじゃないかと思うけど、どうでしょう?
(みど):
「自分を笑ってもらう」ですね。かなり納得してきましたよ。うん、その点は認めた。だんだん、あしさんの言わんとしていることが分かってきたよ。「イシバシ・レシピ」の番組の有り様がわかってきてちょっと嬉しい。もう終わちゃったけど。
公開:2004/03/31;構成:あし イラスト:あし
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