あなたにじっくり向き合う本:本を読むわたし—My Book Report(華恵)
朝日新聞では「いじめられている君へ」と題したコラムを連載していた。各界の有名人が寄稿していたのだが、その中でたぶん最年少だったのは華恵(はなえ)だろう。
そこで華恵は、自分がひとりぼっちになったと感じたときでも、本を読むことによって自分と向き合うことができたというようなことを書いていた。
そんな華恵のそばにいつもあった本たちへの愛情や、彼女自身の思い出やエピソードをつづったのが「本を読むわたし—My Book Report」である。
タイトルを見ると書評集のようでもあるが、あくまでも「わたし」を描写したエッセイである。現在15歳の彼女が、4歳から14歳までに出会った本とそのときの出来事などをつづっている。
これがね、ただの日記のような内容なんだけど、なんともいえずに面白い。最近の若者がブログに書き散らしているような自分語りとは全く違い、自分にも読者にも真剣に向き合っていることが伝わる骨太の本なのだ。
たぶん、どんな年代のどんな境遇の人が読んでも、どこかしら心に響いてくるような「強度」を持った本なんじゃないかな。
「いじめられている君」にこの本が効くとか安易なことは言えないが、今居場所がないと感じている人にもじっくり向き合ってくれる本だというのは間違いないだろう。
キーワード:いじめられている君へ 華恵
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