アジア的な仕事術がスパイシー:アジア新聞屋台村(高野秀行)
わたしはタイ料理やベトナム料理などのエスニック料理が好きだ。フォーといえばレイザーラモンHGよりベトナムうどんの方(フォー)を連想するわたしだ。
韓国料理も好きだし、インドカレーもよく食べる。まあ、おいしいものなら何でも好きなんだけど、とにかくアジア料理に好印象を持っているわたしである。
そこで今回紹介する本は、高野秀行の「アジア新聞屋台村」だ。
物語の舞台はアジア料理の屋台村ではなく、アジア各国の新聞を出版するあやしげな会社なんだけど。
「台湾時報」「タイ・ニューズ」「マンスリー・ミャンマー」などの月刊新聞を発行する新聞社「エイジアン」に原稿を依頼された主人公が、この新聞社の個性的なエイジアン=アジア人たちと関わっていく様を描いた小説。
小説というより自伝とかエッセイを読んでいるような感じがする作品だ。そのへん「漢方小説」(中島たい子)に近い感覚だなと思った。
台湾人の女社長は、行き当たりばったりながらも行動力とバイタリティで仕事に頑張っている。アルバイトのアジア各国から日本に来た人々は、いい加減に見えながらも楽しく「自分のため」に仕事をし、キャリアアップの準備にも余念がない。仕事に対す考え方って、やっぱりお国柄が出るものなんだろうね。
そんなアジア的仕事術(?)に触れることで、「働く」ということを考え直す刺激になる、スパイシーな本だといえよう。まさにエスニック料理にかかせない香辛料のようにね。
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