意外と知られてないシリコンバレー:ヒューマン2.0—web新時代の働き方(かもしれない)(渡辺千賀)
さいきん「なんたら2.0」というのがはやり言葉のようになっている。Web2.0というのがオリジナルであるが、それをもじったDoCoMo2.0でおなじみの人も多いだろう。Web2.0というのは、Webの技術や使われ方が大きく変化してきていることから、従来のWebから大きくバージョンアップしたと考え2.0というバージョンナンバーを付けたものだ。
この本の「ヒューマン2.0」というタイトルも、もちろんWeb2.0をもじったもの。作者は、会社に依存しない新しい働き方の人をヒューマン2.0と呼んでいる。とはいえ、このヒューマン2.0という言葉は最後の方にちょっと出てくるだけで、この本の内容自体はシリコンバレーでコンサルティング会社をやっている作者によるシリコンバレーリポートといった感じ。
シリコンバレーって鹿やアライグマがうろうろしている田舎町なんだとか、人口の38%が外国生まれでアジア系の人が多い(インドもアジア系に含まれる)のだとか、意外と知られていないシリコンバレーの状況が興味深い。そもそもシリコンバレーのシリコン(silicon)は半導体に使われる元素のケイ素で、豊胸手術に使われるシリコーン(silicone)とは別物なんてことも、この本で初めて知ったよ。
シリコンバレーで働きたいと思う人には必読の書であると思うが、そうでない人がビジネス書感覚で読む本ではないかも。とはいえ、《ラッキーになるためには「ラッキーなふりをする」のが鉄則》なんて今すぐビジネスに役立ちそうなステキフレーズもあったりする。
高度なスキルを持った人が集まったシリコンバレーでは、結局の所ラッキーな人が勝つとのこと。ならばラッキーなふりをして周りに「いつもこの人はラッキーだ」と思わせておくとツキがまわってくるそうだ。この姿勢、見習いたいものですね。
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