読書っ子にっき

テキスト&イラスト・芦之由
2008年6月14日

三谷幸喜はアピールリッチ?:格差社会の世渡り 努力が報われる人、報われない人(中野雅至)

格差社会の世渡り 努力が報われる人、報われない人(中野雅至)三谷幸喜は映画「ザ・マジックアワー」の宣伝のため150本ものテレビ番組に出演したらしい。ちょっと前の水谷豊のテレビ大量露出やTBSの「ROOKIES」番宣攻勢も含め、最近この手のテレビジャック的手法が目に付く。これって、CMとは別に番組本編の中にまでCMが侵出しているともいえるよね。

HDレコーダーでスキップされるCMより、本編にCMを入れ込んだほうが宣伝効果が高いはず。こういう手法が、今後ますます増えていくんだろうな。

格差社会の世渡り 努力が報われる人、報われない人」(中野雅至)を読んでいたら、そこにも「新聞・テレビは何かを宣伝するための媒体に成り下がった」という記述があって、なるほどと思った。

テレビに登場する「自称セレブ」な人が私生活をテレビにさらけ出すのは自分のビジネスの「宣伝」のため、金持ちのPR力はマスコミへの対応次第とのことである。なるほど確かにあのIT社長もあの占い師もテレビをうまく利用していたもんなぁ。

この「格差社会の世渡り」は、別にマスコミ論の本じゃない。格差社会の実態とそこで生き抜くための方策を考える本なのだ。
作者は元キャリア官僚の割にはジョークも面白く、読みやすい。「アピールリッチ」「努力プア」「見た目が10割社会」など、言葉の使い方もうまいんだよね。
格差社会の勝ち組になりたいサラリーマンが読んでもためになるだろうし、子育て中の親や学生にも役に立つ本だと思う。

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