鈴木祥子prersents“I'm in love with my men vol.1”
レポート
- ■日時
- 2003年7月23日(水)開場:18:30 開演:19:30
- ■メンバー
- 鈴木祥子(piano,gtr,vo)、かわいしのぶ(bass)、GRACE(drums)
- ■場所
- 南青山MANDALA
●鈴木祥子って?
1965年8月21日生まれ。B型。シンガーソングライター。1988年、シングル「夏はどこへ行った」、アルバム「VIRIDIAN」でデビュー。ドラムをはじめ、ギター、ピアノをこなし、デビュー前にはハコバンの経験もある。その時代の話は、本人の外見のイメージを裏切る強さを感じる。ひたすら音楽と恋に生きる女。楽曲は洋楽のテイストが強く個性的で、業界内での評価も高い。著名アーティストからも絶大な支持を受け「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と呼ばれている。1993年に小泉今日子に提供した「優しい雨」は95万枚のセールスを記録。2002年には、国内女性メジャーアーティストとして史上初の「一人多重レコーディング」に挑戦。作詞、作曲、編曲、プロデュースをはじめ、収録曲全曲のドラムス、ギター、ベース、キーボード、ボーカル、コーラスなど総てのパートを一人で演奏、他の追従を許さないケタ外れの多才ぶりを発揮している。
公式サイトはこちら→「スズキショウコ’ウェブサイト」
■やはり雨でした。彼女は確か雨女だったような
昨年、マンスリーライブとして、南青山MANDALAで精力的なライブを行ってくれたにも関わらず、一度も行くことができなかった私。目の前の仕事の忙しさに流されて、こんなにも楽しい時間を忘れていたなんて。音楽を聴いて自然に身体が動いたり、なんだか笑顔になったりっていうことは大事だよね。で、ライブ当日は雨。確か、祥子さん雨女じゃなかったでしたっけ? 私は、もちろん雨女ですけど。
■恨み、つらみ引き受けます「女のブルース」ライブ
「女のブルース」というタイトルが付いたこのライブ。格好いいを前面に出した演出だ。ライブテーマはマウイ島テイストということで、鈴木祥子、かわいしのぶ、GRACE3人の女たちは、それぞれのマウイ島意識した衣装やアクセサリーを身に付け登場。
今回のライブは、サックス矢口博康氏の率いる男性4人バンドとの対バン。「“I'm in love with my men vol.1”」の「with my men」はそういう意味だね。
さて、ライブの1曲目は、オープニンアクトっぽく本日のライブの主役二人、矢口博康&鈴木祥子による『My Old Man』(by Joni Mitchell)
矢口氏のサックスと祥子さんの歌のみで演奏。「市役所の証明書なんていらないの。私たちには愛があるから」なんて、ジョニ・ミッチェルも可愛いこと歌ってたのね。とのコメントつきで。
この後、祥子さんは引っ込んで、矢口氏率いるバンド演奏が約1時間
で、お待ちかね、鈴木祥子再登場! まず、ドラムをひと叩き。ハードな面をしっかりアピールしたあと、「鈴木です、よろしく」と挨拶。この「よろしく」私には、「夜露死苦」と聞こえたよ。かわいしのぶ(bass)とGRACE(drums)を迎えいれ、1995年に発売された「SNAPSHOTS」より『Happiness?』。「世間並み以上に はたらいてきたけど 人並みくらいには 恋もしたけど 何かが そう 足りない」この歌詞は、歳を重ねるほど、身にしみてくるね。
そして、「25歳の人いますか?」と会場に投げかける彼女。『25歳の女は』へ。これは、25歳の自分を回想して作った曲だそうです。そう、25歳の彼女といえば、『Happiness』の中で「生まれてからもう 25年もたったけど何もわからない それでもいいわ たったひとつ 本当のことを探してるだけ」と歌い「大事なものは 何故いつもなくなるの」と歌っていた。『25歳の女は』に登場する女の子はちょっと自暴自棄にも見えるね。「こんな 暮らしじゃ もう わたしも 永くは ないよ」なんて歌ってる。大井町という地名がまた、微妙に彼女らしいな。
そして、季節に合わせ?『あじさい』。前2曲に比べたら、優しい歌。でも、こちらも回想の歌。25歳より前を思い出しているのか? もっと最近を思い出しているのか? 本人のみぞ知るですな。
祥子楽曲が続いたあと、登場したのは、この懐かしい曲? と言えど、この曲を覚えている人は、ほどんど居なかったな>会場。「8時だヨ!全員集合」がon airされていたころ、ゲストに出ていたという外人歌手マギーミネンコ。彼女が歌っていた『涙の河』(→参考)。彼女は、この曲が聞きたくて中古レコード店を探したとか。やっとの思いで蒲田で見つけ800円でゲットしたことを報告すると、会場からは100円で買ったという声が。そんな言葉にややショック!を受けつつも、この歌のよさをしっかり語ってくれました。女がただ男を待つだけじゃない、この歌の主人公である女は、「好きな男を「待つ」と決めて待ち続ける」。その決めるところがポイントなのだ、と。
さーて、ここからは、バンドメンバータイム。
かわいしのぶは、94歳の実在のおばあちゃんをテーマにした『94』。
そして、GRACEは、旅行先で会った男と一夜を共にしたあと、彼が去っていく後姿を見る女の気持ちを歌い上げた『傷心』。いやぁ、心にぐさっりきますね。
そして、再び祥子タイムへ。こんどは、オノ・ヨーコをカバーして『世界はなんてひどい野郎なんだろう』。この歌、去って行った男をひとり思いつつ朝食を作るシーンがある。今回のライブテーマでもある「女の恨み、つらみ」がここでもしっかりアピール。サヨナラ=the endなんて簡単に愛は終われない。じめっと絡みつくように、そうちょっと蛇みたいに男を思い続けたりするのも女だ。あぁ、怖い!(自分も女だけどね)
という、女のこわーい部分を見た後は、お待ちかねの新曲発表へ。なんと、マリリン・モンローの生涯を書いた「ブロンド」という本の中からモンローの言葉をつなげて作ったという曲その名も、『ブロンド』。モンローの言葉を繋げていったら、まるで自分の言葉のように感じたという、そんな言葉のひとつには「あなたは私を好きにしていいのよ、だって私はあなたのものだから」なんてものも。鈴木祥子、恐るべし。アカペラで始まる曲だったのに、ピアノで初めてしまい、曲を止めたのは、彼女のご愛嬌。こちらに続き、もう1曲の新曲は『Passion』。
ここで、再び懐かしいの曲へ。彼女が幼い頃からお気に入りだった曲。しかし、原曲の音源が見つからない。ならば、自分で作ってしまえと、耳に残っているサビの部分から、曲を作ってしまったと。タイトルは『Yesterday, Today and Tomorrow』。そこにないなら、作ってしまえという発想は、昔の彼女にはなかったイメージだけど、今は当たり前に思えるなぁ。
■ライブは終了。アンコールタイムへ
まずは、新曲『Daddy's Song』all英詞で、洋楽度数高めの作品。
次は、知ってる人は歌ってくださいということで、「カーラジオをつけて ガソリンを燃やして 旅へでかけよう」と『True Romance』。気づけば、ここまでの祥子ソングは、1995年に発売された「SNAPSHOTS」からの選曲が多くなったとのコメントも。
ラストを飾るのは、再び「Snapshot」より『FRIENDS』。あまり、自分の曲を聴くことはないという彼女が、久しぶりに聴いたら、いい曲じゃんと思ったという曲。今のように癒しが蔓延する前に、彼女はちゃんとそういうことを歌っていたんだね。「切なさに気づかないで 笑ったり 仕事したり たとえば何をしても味方でいるよ 信じてるよ」なんてところは、自分でも気づかないうちに誰かが居てくれてるってことで、いいなぁと思う。
そして、すべての曲を歌い終えた彼女はstageを去っていったのでした。
■鈴木祥子は「見た目猫の隠れ犬」
女性から見た彼女の格好よさは自由だ。今、自分が欲しいと思うものに対して貪欲に生きている彼女の姿なのだ。それはちょっと猫みたいにくるくると変わって忙しいけど、そんなとこが魅力となってる。
しかーーーし、今回また、新たな発見があった。今回、彼女が選曲した『涙の河』、『世界はなんてひどい野郎なんだろう』や、新曲『ブロンド』に出てくる女たちは、好きな男の前では飾らない、裸の自分をさらけ出してしまう女だ。そして、去って行こうとする男さえもなんとか男を食い止めようとする。それは、猫じゃなくて犬。従順な犬だ。猫っぽい顔をして鈴木祥子は、犬要素も持つそんな裏切りを見せてくれる女性なのだ。
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