「連ドラっ子世にはばかる」でも取り上げ中の「幸福の王子」。主に本木雅弘演じる周平、渡部篤郎演じる良介、菅野美穂演じる海の3人について放談してみました。
周平の人物像って?
:いきなりですが、周平という男、いかが思いますか?誰もに優しいのは誰にも優しくないみたいな部分とか。
:優しさが人を傷つけることもある、というのがテーマですよね。あと、子供の頃のあやまちが、のちの人生に影を落とす、みたいなこともテーマの一つかな。って人物像とは違いますが。
:確かに、周平の重すぎる優しさは、自分の過去の罪を必死に償おうとしているようにみえるね。もう誰も傷つけたくないという思いが、空回りして全員を傷つけているようにも見える。海、則子(坂下千里子)など。
:それから、あの間の悪さ。あの間の悪さも、結局は子供の頃の罪のせいなのかな?(いわゆるバチが当たる、って状態)
:間かぁ。タイミングがずれまくってるよね。肝心なところで、いつも何かが起きて、結局、海と一緒にどこかに行くチャンスをことごとくのがしているしね。
:そうそう。それがパターンだね。
:そういう意味では、海は、周平と一緒に逃げても、新しい場所で、周平は誰かに優しくしてしまって、結局海は辛い思いをしそうだね。あと、周平は良介を信用しすぎ!
:うん。でも、本当は良介が自分に敵意を持っていること見抜いているのかも、という気も。でも、それを認めたくない。
:周平が見抜いているのかぁ。結局、良介に対しても、NOがいえないのが、優しさというか優柔不断だよ。周平は誰も悪い人だと思いたくないんだろうね。
:いや、でも8回の放送で、則子のところに行くのを選んだのは、優柔不断ではないかもよ。
:そうかなぁ、それも則子に対しての償いみたいに思えるけどなぁ。
良介はどこまで悪い人?
:海も8回の放送で、良介に手紙託したよね。彼女も良介を信じすぎ!
:手紙託すのはかなり昔の物語のパターンですよね。8回の放送って何年だっけ?携帯のメールはさすがに流行ってない時代か?
:時代は1999年。iモードがすでにあるね。ショートメールは利用されてたはず。
:あ、でもみんなiモードではないよね。まあ、それはいいか。
:病院では、携帯使えないしね。
:でも公衆電話から携帯に電話しろよ、ってことで。
:とにかく、このドラマは、携帯があったらドラマにならないってことよ。
:すれ違いとかがポイントだから。「真珠夫人」っぽくもあるな。
:では、良介の態度はいかがでしょうか?
:ごめん、いきなり話をずらすけど渡部篤郎という役者が私は苦手なの。でも、このドラマでの演技は嫌みがない気がする。
:あら、そうなの? 私は、けっこう好きなのよね。嫌な人(過去)といい人(今)を熱演してるよね。
:過去と今で雰囲気を変えるために減量したりとかしてるらしいね。
:いくら、海が好きだと言ってもやりすぎでは?と思うけど。
:うん。良介のテーマは、好きな人のためにならなんでもする。悪魔に魂を売る、みたいな
:「恋と戦争は手段を選ばない」というセリフもありましたしね。あと、自分を卑下しすぎですね
:なんかだんだんいい人になってきてるし。
:でも、過去の中でのいい人は、まだ、海を手に入れたいだけのためにも見えるよ。海の親にまで媚売ってみたいな。
:良介の家族とかって描かれてたっけ?
:いや、家族はでてきてないね。彼も屈折した過去があるのかも。
:こういうドラマのパターンとして、家族に問題有り、ということが多いからなぁ。
:ただ、周平と海の両親を描いているから、これ以上、親がでてくると番組としてうるさいかもね。
:周平にしても良介にしても、人間のある一面を極端に大きくしたようなもんではないかと。だから人間像は? と言われると、はっきりしない気がしてきた。
:確かに、人は誰でも少しは持っているという部分を大きく大きく描いているね。
:そういった意味ではあなたも周平にも良介にもなりうるかもよ、みたいなことね。
:そうそう。
:なので、二人とも実はそんなに掘り下げるほどの人物像はないというか、光の部分だけ、影の部分だけ、みたいな不完全な人物像でしかない、ような感じかな。
:極端に誇張された2人だね。
(2003/8/26公開)
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