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第31回:プライド

プライド

今回のテーマは「プライド」
フジテレビ系 月曜9:00
公式サイト→http://www.fujitv.co.jp/pride/

(あし):月9・木村拓哉主演・野島伸司脚本といったことで注目度の高いドラマ「プライド」。実際視聴率はいいようですが、やけに軽い登場人物たち、そのキザな(寒い)セリフ、突飛な行動などからツッコミの声も多いようです。
今回はそんな「プライド」を、結構まじめに放談していきたいと思います。結局突っ込んじゃうかもしれないけど…。

放談日:3月14日(日)PM10時〜

(あし):
昨日は久しぶりに夜の新宿に行ったら人がめちゃくちゃ多くてビックリしたあしです。
(みど):
昨日は用事があって、埼玉県富士見市まで行ったら、何にもないところでビックリしたみどです。
(あし):
学生にとっては今試験も終わって遊び時なんじゃないかと(人が多かった理由)。
(みど):
そっか、春休みだ。夜の新宿は、かなり苦手です。駅から遠いお店やライブハウスに行くのはとっても大変。お店は、なるべく近いところを選ぶようにしてます。
(あし):
で、今回のテーマは月9「プライド」でっす。メイビー。
(みど):
はーーい。古き良き時代の女です。
(あし):
久々に気合いの入った月9、野島伸司脚本ということですが。
(みど):
第一話は見たのだけど、そのあとしばらく見ていなかったの。でも、ここ3回くらいは復活して見ている。そんなわけで、話が繋がっていない部分もあるのだけど、よろしこ。
(あし):
いきなり豆知識ですが、さっきGoogleで「プライド」で検索したら、ドラマ「プライド」のサイトが1位になってました。昨日までは格闘技のPRIDEが1位だったんだけど、逆転です。
(みど):
そうなんだ。私は、さっき検索して、1位だったから、やっぱ、ドラマ強いなーって思ってて、PRIDEってなんだろうって、見てみたらよくわからなかったので、すぐ閉じました。格闘技なのね。
(あし):
ずっと格闘技の方が一位でした。って歴史が違うからね。
(みど):
ドラマのタイトルも普通名詞だと、なかなか1位は難しいよね。「彼女が死んじゃった。」は、1位です。でも「。」がないと1位じゃないですね。ーーーあ、「。」がなくても1位になってた。変動激しい。

「世界に一つだけの花」のアンチのようでもあるよね。

(あし):
てなわけで、さっそく本題に入りますが。このドラマ、キムタクのセリフがいちいちキザですねぇ。ちょっとシャレてる、ってのを通り越して、全セリフがハル語録って感じになってます。
(みど):
確かにキザです。なんというか、現実には言わないだろうってくらいですよね。「ドラマだから」って割り切って見るしかないよね。でも、トレンディドラマ全盛の頃は、そういうセリフも全盛だったよね。最近はわりとリアル感を重視するものが多いから余計気になるんだろうね。

プライド:キムタクイラスト

(あし):
こんなこと言ってたら友達いなくなるよ、といったセリフも多い感じもしますが、でもそんな中にも私としては光るセリフを見つける楽しみがあったりするんですよ。
(みど):
おぉ、それはどんなセリフですか?
(あし):
じゃあ、3話でハルが発したセリフでいいのがあるので、ちょっと長いけど引用します。

ぬるいヤツとずるいヤツが嫌いなの。
一番目指さないヤツむかつくんだよ。
自分が自分らしくあればいいなんて、ハナっからそういう言い訳用意してるヤツ。ヘドが出るんだよ。
一番になったヤツねたんで、愚痴言って、努力もしないで、ここらへんでいいだろとあきらめる。そんなヤツとはつるみたくない。


「世界に一つだけの花」のアンチのようでもあるよね。
(みど):
ナンバーワンでなくオンリーワンであればいいっていうのが、去年の大ブームでしたからね。それを考えると、その歌を歌っていたキムタクが、「一番目指さないヤツむかつくんだよ」っていうのは、矛盾があると。
(あし):
うん、そう思った人もいるだろうと。でも、それこそが野島伸司の狙いだったんじゃないかと。
(みど):
野島作品の割に、なんか軽いなーと言っている人がいたのだけど、そういう細かいところで、ちゃんと発揮していたんですね。野島ワールド。確かに、近年、癒しとか自分らしさとかってことが蔓延しすぎて、頑張らないことが美徳みたいになっているってことには危機感を感じてる。本当に頑張った人は癒されるべきだし、休みも必要。だけど、端から何もしていない人には、癒しはいらないでしょう。
(あし):
だから、野島伸司は「世界に一つだけの花」の補足をしたんだと思うよ。「ナンバーワンにならなくてもいい」をナンバーワン否定と誤解してる人に、補足の説明として、このセリフをキムタクの口から言わせたかったんだと思う。
(みど):
流行に弱い日本人に対してのメッセージなんだろうね。でも、気づいた人はどのくらいいるのだろう?
(あし):
結構いるとわたしは思うんだけどね。林哲司も自著「歌謡曲」で、「世界に一つだけの花」はナンバーワン否定の曲ではない、負け組の癒しの曲なんかじゃないので誤解しちゃいかん、というようなことを書いてたよ。分かってる人は分かってるし、発表の場がある人は補足しようと思うんだろうな、と思った。野島伸司しかり、林哲司しかり。で、わたしもこの場で声を発してみたかった。
(みど):
今、自分が、「はやり歌なら、これ聞いてみ!」でなんて書いたかをチェックしてみたよ。

男性アイドル集団としては、「ナンバーワン」であるSMAPに「ナンバーワン」でなく「オンリーワン」が大事だと歌わせること、ナンバーワンを目指して走り続けることに疲れている現代人に肩の力を抜かせること。

って書いてた。ナンバーワンを目指して走ってきた人に対して、歌っているという理解だったわけです。ナンバーワン否定という受け止め方はしなかったなぁ。今、自分の周りには、自分を責めるくらいに頑張っている人が多すぎて、その角度から見てましたね。
(あし):
たぶん世代によって、「世界に一つだけの花」の受け取り方は違うのかもね。いわゆる団塊の世代とかの突っ走って来た人には、「ナンバーワンを目指すだけの価値観じゃなくていいんだ」という気づきを与えるというのはあるでしょう。でも、今の若い人は個性重視の教育を受けているから、オンリーワンがいいんだってことは当たり前のことで、そこに「気づき」はないんじゃないかな。なので、野島伸司からの補足メッセージは、若い人向けってことですね。メイビー。
(みど):
まさに「プライド」を見てるような世代ってことですね。
公開:2004/03/17;構成:あし イラスト:あし
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